STORY

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無限の―――
―アンリミテッド/レイズ・デッド―

脚本:奈須きのこ・桜井 光 絵コンテ:鈴木利正 演出:宮本幸裕
作画監督:秋葉 徹・大高美奈・宮嶋仁志

ネロは宝具『招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)』を展開し、李書文を討ち破った。
ハクノもデッドフェイスを発現し、ユリウスとの戦いに勝利する。
リンとラニを残し、ハクノとネロは次の階層に向けラダーに乗り込んだ。
第六階層に到着すると、リンに酷似したサーヴァントと巨大なラニが大量に出現する。
このニ組は何故か敵対しているようだった。
戸惑うネロとハクノの前に、第五階層まで共に戦ってきたリンが現れる。

  • NO.001

    無限の――

    無限の残骸。実力伯仲だった二名のマスターの戦いの末路。
    勝者を輩出する事なく、
    敗者を決定する事なく、
    ただ、戦いに破れたそれぞれの遺体が積み重なる無人の第六層。

    1000年前の聖杯戦争で遠坂リンとラニ=Ⅷはこのフロアで対決したが、その結果は完全なる引き分けだった。
    互いにサーヴァントを失い、互いに致命傷を与えた両名は、
    『勝者でもなく敗者でもない者』としてカウントされてしまった。
    その後、トワイス・ピースマンの手で聖杯戦争が停止し、
    ムーンセルは六層でもっとも優れたマスターであるリンとラニを
    フロアマスターとして選んだ。 死の直前にある両者はフロアの核として採用され、
    六層は彼女たちの世界に再構成された。

    リンとラニが自分たちの状態(フロア化している)事を把握するまで数十年のラグがあり、
    その間、六層にいた数少ないマスターたちは七層に向かったか、下層に避難した。

    死の直前でフロアと同化したリンとラニの本体(オリジナル)の意識は、いまだ『聖杯戦争』のただ中にある。
    彼女たちは霧のかかった意識のまま、本能に従い、代理となる分身(アバター)を作成。
    勝敗を明らかにする為、戦闘を再開したのだが、何年、何十年、何百年と戦いを繰り返しても、
    彼女たちが勝者としてフロアから開放される時は来なかった。

    500年の殺し合いが続き、彼女たちもようやく状況を諦めた。
    自分たちではもう判定は覆らない。
    リン(ラニ)を殺したところでラニ(リン)が勝者になる事はない。
    彼女たちが『勝者』か『敗者』になる方法はただ一つ。
    第六層まであがってきたマスターと戦い、
    これを倒して勝者としてカウントされるか、 倒されて敗者としてカウントされるかだけである。

  • NO.002

    分身(アバター)

    "リンとラニの今の姿。数百年にも及ぶ、自己改造と自己強化のなれの果て。
    フロアとなった彼女たちは生体工場となり、
    ライバルであるリン(ラニ)を上回るため自身の電脳体を改良し続け、
    その果てに自らをサーヴァント化した。

    すでにサーヴァントを失っていた彼女たちは、かつて契約していた英霊の要素を
    自身の電脳体に植え付け、融合させている。
    その有様は成長というより、工場で出荷される兵器のようなもの。
    自己改造は本体(オリジナル)そのものから始まり、
    彼女たちは生きたまま違うものに組み替えられる痛みと恐怖を幾度となく繰り返し、
    今の最適解の電脳体に落ち着いた。
    長いトライアルの末、
    リンはスキルに特化したサーヴァントスタイルを選び、
    ラニはパワーに特化したサーヴァントスタイルを選んだようだ。

    各階層でハクノとセイバーに協力していたのは、
    六層から下層に向けて派遣されたこの分身である。
    SE.RA.PHは一方通行の為、一階層にひとりずつ分身を派遣していた。
    その目的は言うまでもなく、『新しいマスター』を六層にまで到達させる為だった。"

  • NO.003

    心臓世界アストライア

    第六層の中心にあるドーム。
    リンとラニの本体が安置されており、
    分身たちはこのドームに入る事を本能的に恐れている。
    いかに代理といえ、分身(借り物)が本物に近づき、これを直視しようとした時、
    自己矛盾により砕け散る可能性があった為だ。
    また、分身たちでは本体に干渉する事はできないため、
    自殺する事も叶わなかった。

    フロアの心臓部分であり、
    この天秤の上からどちらかが欠けた時、第六層は崩壊する。
    分身たちは消滅の際、蓄積した情報・記憶を本体に送り届ける。
    分身たちの行いはすべて、
    眠り続ける本体にフィードバックされる構造になっている。

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